イギリスに拠点を置く人工知能開発会社DeepMindは先日、公式サイトのブログにて新技術「neural probabilistic motor primitives (NPMP) 」が人工知能モデルをサッカーをプレイできるようになるまで成長したと発表した。
出典:Science X: Phys.org, Medical Xpress, Tech Xplore YouTube
公開された動画内では、NPMPによってサッカーをプレイすることを学習したヒューマノイドがボールに向かって走ったり、味方にパスを出したり、ボールをゴールを決めるなど、人間に近い動きでサッカーをプレイしているのを見ることができます。
NPMPによる課題の解決
5年前、DeepMindはヒューマノイドキャラクターに障害物コースを突破させる方法を学ばせるという挑戦をし、試行錯誤を通じて行われる強化学習(Reinforcement Learning)によって挑戦を達成しました。
しかし、その挑戦ではふたつの知性に関する課題が具体化されたという。ひとつは新しい行動に対して以前に学習した行動を活用させること、もうひとつは人間やロボットにとって奇妙な動きをしてしまうことでした。
そこで、人間や動物などの運動パターンによるガイド付きの学習を含むneural probabilistic motor primitives (NPMP) がこのふたつの課題を解決することができるとし、このアプローチによって、ヒューマノイドは自らの運動の制御と意思決定の共存を可能にしているようだ。
(参照:From motor control to team play in simulated humanoid football)
ヒューマノイドがサッカーをプレイするまで
新たな手法NPMPの登場により、ヒューマノイドはモーションキャプチャされたサッカー選手の動きをより人間らしく学ぶことに成功し、約5年分のサッカーの試合のシミュレーションを課したことで、ボールの扱い方や身のこなしを学んだという。
次に、対戦相手やチームメイトを用意することで、ヒューマノイドにボールをゴールまで運ぶという新たな目標を設定。約20から30年分のシミュレーションを学習させ、チームワークやポジショニングなどよりサッカーらしい動きが向上している。
現時点では、人工知能に反則やスローイングなど全てのルールを学習させておらず、単純なルールの元でヒューマノイドに学習させており、将来的に人工知能モデルをロボットに移植し、現実世界でロボットがサッカーをプレイするという未来が実現するかもしれません。
DeepMind 公式サイト
ARTICLE